2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の転移抑制を目指したMMPインヒビター療法開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
17659626
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木村 博人 弘前大学, 医学部, 教授 (90142851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊 宏剛 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90374850)
成田 憲司 弘前大学, 医学部, 助手 (50374848)
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Keywords | 口腔癌 / MMP / COX-2 / 転移抑制 / COX-2インヒビター |
Research Abstract |
本年度申請者らは、昨年度の研究結果を踏まえ、MMP・COX-2発現の調節機構を利用した口腔癌の浸潤・転移抑制を目指し以下の検討を行った。 昨年度の定量PCRの検討結果、舌癌由来のHSC-3(高転移性細胞株)において、COX-2とMMP-9 mRNAの相関関係が示唆され、舌癌由来のHSC-4(低転移性細胞株)ではMMP-2 mRNAが高発現であった。以上を踏まえ、舌癌由来のHSC-3とHSC-4を用いて、COX-2インヒビターによるMMP発現調節の検討を行った。 COX-2インヒビターはインドメタシン、セレコキシブ、デキサメタゾンを用いて検討を行った。HSC-3とHSC-4において上記薬剤を培養上清中に添加し、細胞よりRNAを回収した後COX-2 mRNAの発現を検討したところ、デキサメタゾンで発現が抑制された。MMP-2 mRNAの発現について検討したところ、HSC-3にインドメタシン、セレコキシブ、デキサメタゾン4時間添加で発現が抑制された。HSC-4では、発現に変化は認められなかった。MMP-9 mRNAの発現については、HSC-3にセレコキシブ、デキサメタゾン4時間添加で発現が抑制された。HSC-4では、発現に変化は認められなかった。 ELISA法ならびにWestern blot法でMMP-2ならびにMMP-9のタンパク産生を検討したところ、mRNAと同様の結果が得られ、タンパク産生も抑制していることが分かった。 以上の検討結果により、高転移性舌癌細胞株であるHSC-3において、MMP-2、MMP-9の発現にCOX-2の発現が一部関与していることが示唆された。 MMP-2、MMP-9は癌の浸潤・転移に重要であることが知られており、口腔癌組織におけるCOX-2の発現について今後検討をすすめることにより、口腔癌の浸潤・転移のマーカーとなりうることが考えられた。
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Research Products
(1 results)