2005 Fiscal Year Annual Research Report
口唇裂発症を伴う胎仔顔面突起に特徴的な分子発現様相の探索
Project/Area Number |
17659630
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 助手 (10242439)
福田 純一 新潟大学, 医歯学系, 助手 (10311672)
|
Keywords | 口唇裂 / CL / Fr系マウス / フェニトイン誘発 / マイクロアレイ / 遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
【目的】ヒトにおける口唇裂の原因解明は遺伝様式の複雑さゆえ一般に非常に難しいと考えられているが、口唇口蓋裂の臨床分子遺伝学的研究分野に候補となる具体的な原因遺伝子・分子機構を提示し、原因解明の糸口をもたらすことを目的にマウス胎仔顔面突起のマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を開始した。口唇裂の発症に伴い変化する分子グループを推定する過程に必要となる実験基盤の確立として、CL/Frマウスの交配を行い、胎齢10日のマウスにフェニトイン投与の条件設定と、顔面突起の顕微剖出を行った。それらの検体から抽出したRNAをマイクロアレイによって遺伝子発現解析した。 【対象と方法】胎齢10日にフェニトイン60mg〜100mg/Kgを腹腔内投与した。6時間後に胎仔顔面の上下顎突起と鼻突起と顕微鏡下で剖出し、totalRNAを抽出した。これを冷凍保存してマイクロアレイ解析委託に提出した。これまでの正常コントロールとしての薬剤無投与の顔面突起RNAを3検体と薬剤投与後の顔面突起1検体について解析を行っている。各解析それぞれ3〜4胎の胎仔について胎仔顔面組織をあわせて検体としている。 【結果と今後の課題について】現時点で幾つかの課題を抱えており、今後それらを検討しつつ安定した確実性の高いデータを形成していくことが課題として残っている。 (1)最適なフェニトイン投与量の決定に時間を要した。60mg/Kgでは約50%の胎仔に唇裂が誘発された。一方で100mg/Kg投与では約90%の胎仔に唇裂を誘発したが、一方で胎仔死が多発しており至適投与量と共に至適至適投与時期についても検討を要する。(2)胎仔の胎齢が一定とはいえない場合が多く、解析結果がいろいろなステージの顔面突起を含んでいる可能性があるので、顔面突起の発達レベルをさらに一定化したうえで解析を追加する。(3)RNAの保存について抽出法や凍結の回数を至適化することが必要である。
|