2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌でのPDE関連診断法の確立-オーダーメイド治療に向かって-
Project/Area Number |
17659631
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田川 俊郎 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30046346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378368)
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Keywords | phosphodiesterase / 口腔癌 / オーダーメイド治療 |
Research Abstract |
Phosphodiesterase(PDE)は細胞内のcAMPやcGMPを分解する酵素で,その濃度を調節する非常に重要な役割を担っている。現在,11種類(PDE1からPDE11)のファミリーに分類され,各ファミリーはアミノ酸配列相同性を示すサブファミリーがある場合がある。そこで本研究は,各PDEのサブファミリーの発現やPDE遺伝子異常を各口腔癌細胞で世界に先駆けて明らかにし,PDEの細胞内シグナル伝達の側面から口腔癌を診断し,オーダーメイド治療へ向かおうとする全く新しい試みである。 悪性腫瘍細胞でのPDEの発現は,細胞よりトータルRNAを抽出し,電気泳動でトータルRNAの状態を確認した。RTでcDNAを合成後PCRで増幅し,電気泳動でPCR産物のサイズを確認した。PDE遺伝子異常はPCR産物をTA cloningにてプラスミドベクターに導入後,大腸菌にプラスミドベクターをトランスフェクションし,寒天プレート上でコロニーを選択した。選択したコロニーをLB培地で培養し,プラスミドを精製した。目的のPDEが挿入されているのを制限酵素処理で確認後,濃度を測定,シークエンサーでシークエンスを行った。ヒトロ腔由来悪性黒色腫PMP細胞ではPDE2Aが非常に高発現していた。また,PDE2A遺伝子の検討では,2カ所遺伝子異常(C→T,C→T)が確認できたが,アミノ酸レベルでは異常は認められなかった。 今後はこの遺伝子異常をがん診断用DNAチップ等に応用するとともに,将来個人に最適なオーダーメイド治療への道を開いて行く予定である。
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