2005 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節におけるBMP-6の抗アポトーシス作用に関する研究
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17659638
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
藤田 茂之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50228996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 卓也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90364083)
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Keywords | 顎関節 / BMP-6 / アポトーシス |
Research Abstract |
【実験方法と経過】 細胞培養:顎関節内障の患者から採取した滑膜組織、および関節円板組織を培養し、その細胞の増殖に成功した。 ヒト顎関節内障の滑膜、関節円板組織標本作製:顎関節内障の滑膜・関節円板をパラフィン包埋し、薄切切片(5nm)を作製した。抗BMP-6抗体、HRP標識二次抗体を反応させ、DABにて発色を行い、BMP-6の発現の局在を免疫組織学的に検討した。また、同標本においてTUNEL法を用い、apoptosisの評価を行った。 咬合不全ラットの作製:8週齢のWistar系ラットを用い、全身麻酔下、右側上顎臼歯部を抜歯し、ラットに咬合不全を生じさせた。 【結果】 ヒトの顎関節内障の滑膜・関節円板パラフィン包埋標本の薄切切片(5nm)におけるBMP-6の発現の免疫組織学的評価およびTUNEL法によるapoptosisの評価 (1)BMP-6の発現:滑膜組織に明確なBMP-6の発現は見られない。円板組織には円板内の軟骨細胞様細胞にBMP-6の発現が認められた。線維化が強く円板内に軟骨細胞様細胞が少ないヒト顎関節円板組織は発現が少なかった。ただし顎関節内障と正常顎関節の関節円板を比較すると、正常関節円板における軟骨細胞様細胞のBMP-6の陽性率が約20%であるのに対し、顎関節内障の関節円板の軟骨細胞様細胞のBMP-6の陽性率は関節円板の位置によって差があるが約60%に認められた。正常関節円板においては関節円板内の前方肥厚部や後方肥厚部に比較し、中央狭窄部の軟骨細胞様細胞に比較的陽性率が高い傾向にあると考えられた。 (2)apoptosisの評価:現段階では標本数が少ないが(15標本)、TUNEL法によるapoptosis陽性細胞は約3%未満でほとんど陽性反応を認めない。
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