2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン徐放性を有する歯周組織再生deviceの開発
Project/Area Number |
17659653
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60374948)
笹野 泰之 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30196191)
鎌倉 慎司 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80224640)
根本 英二 東北大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40292221)
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Keywords | Octacalcium phosphate / サイトカイン / 徐放システム / 歯周組織 / 再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周組織を構成する細胞の増殖・分化のステージに応じた複数のサイトカインの選択的投与が必要という考えから、担体そのものにサイトカインを結合させて徐放させるというシステムを開発することである。平成17年度においては、OCP加水分解物(fiuoridated Ca-deficient HA ; F-HA)をラット頭蓋冠欠損モデルに埋入したところ有意に高い骨再生が得られ、F-HAが代替骨として非常に有用であることをまず示した。本年度はまず骨芽細胞系のST-2のOCPあるいはHAコートディッシュ上での増殖と分化を調べたところ、ST-2のOCP上での細胞増殖は初期において阻害されるものの石灰化能は培養終期に急速に増加することが明らかにあり、OCPは骨芽細胞によってHAに転換されることで硬組織形成を促進することが示された。一方、硬組織形成を促進するサイトカインであるBMP-2とOCPを同時にラット頭蓋冠欠損モデルに移植したところ、顕著に骨再生を促進することが明らかとなった。この作用をin vitroで解析したところ、BMP-2活性は吸着温度条件に依存することが示された。さらにBMP-2吸着はOCPの表面結晶構造により異なることも明らかとなった。マラッセ上皮細胞からの産生が報告されているIGF-IおよびIGF-IIを用いて、マウスセメント芽細胞に分化に与える影響を検討した。その結果、IGF-IIの刺激によって、osteogenic geneのオステオカルシン、骨シアロプロテイン遺伝子発現が有意に亢進することが明らかとなった。また、分化マーカ・一であるアルカリンフォスファターゼの発現も弱いながらも誘導されることが分かった。IGF-Iの刺激においては、著明な変化は見られなかった。一方、セメント芽細胞の前駆細胞と考えられているマウス歯小嚢細胞ではこれらの遺伝子発現はむしろ抑制されることが明らかとなった。すなわち、IGF-IIの作用はtargetとなる細胞の分化段階に大きく依存していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)