2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌の免疫監視からのエスケープ機構と慢性感染の成立
Project/Area Number |
17659655
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 和久 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 貴子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
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Keywords | TLR / IRAK-M / Porphyromoas gingivalis / Lipopolysaccharide / マクロファージ / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
今年度はP.gingivalis LPSによるマクロファージにおけるTLR signaling negative regulatorの発現動態について検討した。THP-1をPMA(200nM)を添加した10%FCSを含むRPMI1640培地にて48時間培養し,マクロファージに分化させた。分化した細胞に抗原としてP.gingivalis,A.actinomycetemcomitans,E.coliの各菌種由来LPS(1μg/ml)を10%FCS存在下で添加し刺激した。刺激後1,3,6,12時間におけるTNF-αのmRNA発現をReal-time PCR法にて,6,24時間における培養上清中のTNF-α産生量をELISA法にて検討した。また,刺激後1,3,6,12時間におけるIRAK-M,SOCS-1,SHIPのmRNA発現をReal-time PCR法にて、タンパク発現をWestern blot法にて検討した。その結果、P.gingivalis LPS刺激12時間後におけるTNF-αのmRNA発現は,E.coli LPS刺激によるものと比較して減少していた。また,培養上清中のTNF-α産生量は,E.coli LPS刺激によるものと比較して有意に低いことが認められた。P.gingzvalis LPS刺激によるIRAK-MのmRNA発現およびタンパク発現は他の2菌種LPSによる刺激と比較して増強されていた。P.gingivalis LPS刺激によるSOCS-1およびSHIPはmRNA発現およびタンパク発現に影響は認められなかった。以上よりP.gingivalis LPSは,マクロファージにおけるIRAK-M発現を特異的に増強することでTNF-α産生を抑制し,宿主細胞の低応答性に関与している可能性が示唆された。
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