2006 Fiscal Year Annual Research Report
カテプシン-Lプロモーターの薬剤応答配列を標的とした歯肉増殖症の治療法開発
Project/Area Number |
17659657
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 英紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80208222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柴 正悟 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
畑中 加珠 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50362992)
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Keywords | 薬物性歯肉増殖症 / カテプシンーL / IL-6 / MCP-1 / 歯肉線維芽細胞 / HLAクラスII / FAK / ルテオリン |
Research Abstract |
薬物性宙肉増殖症の病巣局所には細胞外基質が多量に蓄積し、病変歯肉組織は高度に線維化している。申請者らは過去に、本疾患を惹起する3種類の薬剤すべてが歯肉線維芽細胞においてライソゾーム酵素カテプシンーLの活性を遺伝子の転写レベルで抑制することを報告した(Nishimura F et al.,Am J Pathol,2002)。カテプシンーLは炎症性サイトカインーIL-6やMCP-1によってその遺伝子発現が調節されていると言われている。そこで、歯肉線維芽細胞においてIL-6やMCP-1を発現'させるモデルとしてHLAクラスII抗原を介した刺激を用い、これらサイトカインの調節機構を明らかにした。歯肉線維芽細胞上のHLAクラスII抗原はfocal adhesion kinase(FAK)と会合しており、HLAクラズII抗原を介した刺激でFAKがリン酸化を受け、IL-6やMCP-1が産生されることを明らかにした。FAKのリン酸化を特異的に阻害するといわれるルテオリンを作用させると、FAKのリン酸化が濃度依存性に抑制されるとともに、 HLAクラスII抗原を介した刺激によって誘導されるIL-6やMCP-1の産生量が低下した。これらのことからルテオリンによる歯肉線維芽細胞中のFAKリン酸化阻害作用が、梅肉増殖症惹起薬剤の作用と類似の効果を及ぼすことで結果的にカテプシンーL活性が抑制され、細胞外基質が蓄積する可能性が示唆された。これら3種類の薬剤はいずれも細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害することが知られている。今後、ルテオリンによるFAKリン酸化阻害作用がカルシウムイオンの流入阻害を介したものかどかを確認する必要がある。
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Research Products
(1 results)