2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患病原細菌に対して選択的な殺菌作用を発揮する唾液ポリペプチドに関する研究
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17659658
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
内藤 幸雄 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (10076052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 賢二 鈴鹿工業高等専門学校, 助教授 (50182473)
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Keywords | ラット / 顎下腺 / Porphyromonas gingivalis / シスタチンS / 歯周病 / システィンプロテアーゼインヒビター / LC-Mass / イソプロテレノール |
Research Abstract |
成熟Sprague-Dawley系ラット(雄性)に、交感神経β-受容体作動薬のイソプロテレノールを連続投与(1日2度、7日間、20mg/kg体重)し、システィンプロテアーゼ阻害タンパク質であるシスタチンを誘導した。1日間絶食後、ペントバルビタールで麻酔下に顎下腺唾液を採取した。エチレンジアミン四酢酸で処理した後、凍結乾燥した。 20mMリン酸緩衝液に平衡化したSephadex G-75を充填したカラムに、同じ緩衝液に溶解した唾液検体を添加し、ゲルクロマトグラフィーを行った。唾液検体は3つのピークに分画される〔G-1(分配係数(Kav);0-0.4)、G-II(Kav;0.4-0.7)およびG-III(Kav;0.7-1.0)〕。シスタチンSはG-II画分に溶出される。画分Iと画分IIは蒸留水に対して透析後、凍結乾燥して保存した。画分G-IIIは未処理のまま凍結乾燥した〔各々の画分の収率;G-I:52.5%,G-II:35.0%,G-III:10.5%〕。 歯周病の病原細菌であるPorphyromonas gingivalisに対する抗菌活性をディスク法で評価した。G-II画分は100μg/ディスクで約14mmの阻止円、そしてG-III画分は100μg/ディスクで約16mmの阻止円が形成された。G-IIのシスタチンSの純度は約70%であるのに対して、G-III画分には多数の成分が存在することが、15%SDS-PAGEの分析で明らかとなっている。 C-18の逆相カラムを用いるHPLCによってG-III画分の分析を行った(0.1%三フッ化酢酸とアセトニトリルの2液の直線濃度勾配溶出)。G-III画分を0.1%三フッ化酢酸に溶解し、カラムに添加した。測定波長は220nm(ペプチド結合)とした。保持時間2.4分、5.0分、7.5分、9分、11分、12分、13分、14分、15分および17分に10画分に分離された。これらの成分は相対的に親水性なポリペプチドであると推定された。エバポレーターでアセトニトリルを除外後、凍結乾燥した。 これらの検体を超純水で溶解し、LC-Massによる正確な分子量測定を行った結果、分子量700以下の成分が多数検検出された。逆相クロマトグラフィーの各々は単一成分ではなく、更なる生成が必要である。抗菌活性ペプチドの同定は、今後の課題である。
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