2006 Fiscal Year Annual Research Report
産褥早期の育児負担感の軽減を目的とした訪問指導体制試案とoutcome評価
Project/Area Number |
17659681
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江守 陽子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (70114337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 文江 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (40229943)
斎藤 早香枝 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50301916)
野々山 未希子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (90275496)
|
Keywords | 産褥期 / 育児負担感 / 訪問指導体制 / outcome評価 / ストレス物質 |
Research Abstract |
本研究は産褥早期の母親の育児負担感を軽減するために、家庭訪問による育児支援システムを強化・再構築する目的で、訪問指導条件を統制することによる指導効果を、受け手である母親側の満足度、outcome評価から比較し、新システム構築の可能性を探ろうとするものである。 本年度は分娩後2週目の母親の育児ストレスを測定し、産褥経過とともにそれがどのように変化するのか、またどのような母親が強いストレスを感じているかを特定し、効率の良い訪問指導時期を推定しようと考えた。 その結果、「年齢20〜35歳、合併症がない、喫煙者ではない、正常妊娠・分娩・産褥経過を辿った」母親群に対し、家庭訪問した。初産婦12名と経産婦10名の平均年齢は29.1±3.7歳、分娩週数は39.4±0.8週、分娩所要時間は531.4±465.4分、分娩時出血量は285.0±120.8ml、妊娠中体重増加は10.3±2.3kg、非妊時BMIは20.3±1.9、出生時の児体重は3069,3±314.2gであった。 生化学的指標として収集した検体では、同一の母親では唾液中のSIgA濃度と母乳中のSIgA濃度には有意な正の相関がみられたが、唾液中のcortisol濃度、母乳中のSIgA濃度、母乳中の白血球細胞数には互いに相関はみられなかった。 唾液中のSIgA、cortisol濃度、母乳中のSIgA濃度、母乳中の白血球細胞数は各物質の産生部位や分泌機序等が異なることから、ストレスを受けてから反応し、濃度の変動が起きるまでに免疫物質問に時間差があったと考えられる。そのため互いの濃度に差が生じたものと思われた。分析方法の決定と分析技術のトレーニングに時間がかかったため、同一時期の母親のみのデータ収集で終わり、訪問指導のための最適時期や、訪問指導が必要な対象モデルを特定するまでに至らなかった。
|