2005 Fiscal Year Annual Research Report
がんサバイバーに対する身体活力回復プログラムの開発
Project/Area Number |
17659703
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
外崎 明子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (20317621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90299991)
佐藤 正美 東海大学, 健康科学部, 助教授 (60279833)
今泉 郷子 川崎市立看護短期大学, 看護学科, 講師 (10259161)
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Keywords | 癌 / 看護学 / リハビリテーション / サバイバー / 運動療法 |
Research Abstract |
がん治療後の人々(以下、サバイバー)は疾患や治療の副作用により健康レベルの低下が多く認められる。そこで本研究はサバイバーの身体的および心的な活力の回復を目指すために、安全で主体的、継続的に実践できる運動プログラムを開発することを目的としている。 研究初年度である本年度は、以下のような知見が得られた。 1.造血細胞移植(以下、移植)後患者の主観的健康観に影響する要因の分析 17例の移植後患者の平均歩数、下肢筋力および主観的健康観(倦怠感・不安感の程度)の関連性の分析では、平均歩数の少なさは食事回復遅延と相関し、これは倦怠感を高め、また平均歩数は足関節背屈力と相関があった。これより足関節の筋力低下により身体バランス能が低下し、歩行の負担感や体力の減弱を感じやすくなり、倦怠感が強まると推測された。 2.文献検索結果 PubMedを使用し、がんの運動療法に関する英文のClinical trial方法による文献検索を実施し、36文献が得られた。この結果、治療後長期に身体低活動が固定化されると、身体予備力が低下しやすくなり、改善のために治療後早期より低レベルの運動強度から開始し、継続的な身体活動が習慣化されるような支援が重要であった。また運動の効果はQOL(生活の質)などの主観的な指標、免疫機能、筋持久性、心肺機能など客観的な指標によって測定、評価が可能であり、特に客観的指標では、多くの場合、1年間以上、運動を継続して効果が出現していた。 3.今後の方針 本プログラムの開発にあたり、運動方法は1年以上の継続が可能で、低強度から徐々に機能改善にあわせ漸増できるものとし、運動アドヒアランスが維持されるように定期的に電話などでフォローし、ケア提供者から「見守られている」、「つながっている」という感覚をサバイバーがもてるような支援体制が重要であることが示された。
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