2006 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者による昼間睡眠の生理学的意義と概日リズム調整への看護介入モデルの開発
Project/Area Number |
17659705
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 恵美 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (70178713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 重行 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90251058)
佐藤 誠 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (50242409)
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Keywords | 睡眠障害 / 睡眠ポリグラフ(PSG)検査 / 心拍変動(HRV)検査 / 睡眠時無呼吸症候群 / 死蔵自律神経機能 |
Research Abstract |
高齢者の昼間睡眠の意義とその効果測定法の開発を目的に施設内高齢者を含む様々なステージの高齢者に対し、睡眠ポリグラフ(PSG : Polysomnography)検査を実施し、睡眠ステージおよび心拍変動(HRV : Heart Rate Variability)パワースペクトル解析を行った。本年度は筑波大学附属病院睡眠外来の睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome ; SAS)患者を対象として、高齢者群と非高齢者群、および重症例、軽症例に分け、睡眠ポリグラフ(PSG)検査を実施し、睡眠ステージおよび心拍変動(HRV)パワースペクトル解析を行った。検討項目は各睡眠ステージの出現時間、睡眠ステージにおける心拍変動高周波成分(HF)、低周波成分(LF)、超低周波成分(VLF)、および睡眠潜時、睡眠効率等とした。若年者群に比し、高齢者群でHF, LF, VLFが低値を示し、加齢に伴う自律神経機能の低下によるものと考えられた。また、高齢者は若年者に比し、睡眠潜時が長く、中途覚醒も多く認められ、高齢者の睡眠構造の特徴を示すものと考えられた。SAS患者、とくに高齢SAS患者において夜間の睡眠構造を検討することは、睡眠障害における睡眠の質の低下を評価することが可能となる。これにより、高齢者の昼間睡眠と夜間睡眠の関連がより明瞭になると考えられ、昼間睡眠の意義の再評価が期待される。 さらに、本研究では、心拍変動VLFと無呼吸の重症度の間に有意な正の相関関係が認められ、心拍変動を解析することにより、睡眠時無呼吸の重症度の推定が可能であることが示唆された。 施設内療養虚弱高齢者として入院高齢者患者を対象に昼間時におけるPSG検査、HRV解析を実施し、高齢者と虚弱高齢者の昼間睡眠構造の相違を検討している。睡眠時の睡眠ステージごとの心拍のR-R時間変動率を解析することは、昼間睡眠の構造および心臓自律神経機能評価に寄与することと考えられる。
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Research Products
(3 results)