Research Abstract |
【目的】 中高年者の体力・身体活動能力に応じた健康維持増進を図る運動プログラム提供システムを開発し,生活習慣病の一次・二次予防に寄与することである。この目的に資するため,Y県内のK村の生活習慣病健診において,体力測定と身体活動問診表を用いた調査を行い,体力と身体活動能力別の運動プログラムを中心とした教育媒体(視聴覚メディア活用型のホームページ)を作成し,その効果を判定することである。 【H17年度の研究成果】 40歳以上の中高年住民を対象に,生活習慣病健診の事後報告会において健康調査,運動調査,生活行動時間調査,食事調査,体力測定の調査を,同意の得られた者を対象に実施した。調査参加者は210人であり,平均年齢は67.9±11.2歳あった。調査参加者の健康状態を死の四重奏分類で解析した結果,高脂血症が69.0%と最も多く,高血圧37.6%,肥満29.0%,耐糖能異常19.5%であった。体力測定結果は年齢に伴って低下する傾向が認められ,握力,上体おこし,棒反応時間,座位ステッピングはその傾向が顕著であった。この結果を全国平均と比較するとやや劣る傾向にあった。身体活動調査結果では,一日の消費エネルギー量の平均は男性2,018.4±612.7kcal,女性1,750.0±342.3kcalであった。安静時間(睡眠時間と休養時間)は,男性は丘陵地農村地区,観光産業地区,70歳以上が多く,女性は酪農地区,40歳代,50歳代が少なかった。これらの結果を踏まえ,個人が自由にデータを入力し,判定やアドバイスシートが出力が可能な教育媒体(視聴覚メディア活用型のホームページ)を作成した。 【H18年度の課題】 作成した教育媒体を中高年者に実際に体験してもらい,その前後で以下の指標を用いて効果を判定する。指標は,身体計測値・体力測定・身体活動量・食(栄養)評価・主観的健康状態,血液検査値等を予定している。その結果からIT活用による中高齢者の体力・身体活動能力別運動プログラム提供システムの有用性を検討する。
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