2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659709
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横山 美江 岡山大学, 医学部, 教授 (50197688)
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Keywords | 双子 / 三つ子 / 虐待 / 予防 |
Research Abstract |
多胎児の出産率は上昇傾向にあり,西宮市においても多胎出産は年々増加している。西宮市では多胎児育児支援のためのサービスを効果的に提供するために,まず多胎児家庭に対する調査を2003年1月から3月に実施した。その調査結果では多胎児をもつ母親は単胎児をもつ母親に比べ,妊娠を知ったときに非常に不安が強く,かつ不安を軽減するために必要な多胎妊娠や多胎児育児に関する情報も適切に得られていない者が多いことが判明し,多胎児家庭に対しては妊娠中から介入を行うことが重要であることが明らかとなった。 これらの調査結果を踏まえて,今年度は多胎妊娠中の妊婦に対し「双子・三つ子の親になる人のつどい」を市の事業として位置づけ,多胎児支援を妊娠中から実施している。この「双子・三つ子の親になる人のつどい」は,多胎妊娠の妊婦だけではなく,可能な限り夫婦で参加してもらう両親学級の形式で実施している。つどいでは,多胎妊婦の地区保健師の紹介や育児情報を提供し,母親同士の仲間づくりにも努めている。さらに,出産後は,地区保健師による家庭訪問や電話相談を実施しており,母親が育児困難を感じたときにはいつでも対応できる体制づくりに努めており,西宮市での多胎児育児支援システム構築に向けたこれらの活動を報告した。 これらの多胎児支援の取り組みの評価として,2005年に調査を実施し,つどいの参加者は有意に妊娠中の不安が軽減しており,かつ妊娠中から多胎児育児をイメージできたとする者が多いことが明らかとなった。
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