2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659710
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村久保 雅孝 Saga University, 医学部, 准教授 (20241151)
|
Keywords | 適応的高齢者 / QOL / 持久系運動 / トライアスロン / マラソン / 質的研究 / ナラティブインタビュー / ライフヒストリーインタビュー |
Research Abstract |
本研究3年目の本年度は、研究実施経計画を発展させ、適応的高齢者としての高齢者アスリート5名に直接面談し、了解を得、逐語記録に起こし、過去2年度の資料加えて本研究の基礎資料とした。内訳はトライアスロン4名、マラソン1名であり、全員男性であった。また、高齢者の持久系運動の指導に当たっている研究者から、高齢者運動の娯楽性に加えて競技性についての知見を得た。 トライスロンやマラソンといった、容易でないと思われることに取り組む高齢者達は、周囲から特別な人と思われがちであるが、各々の事例からは、実はそれほど特別でないことが分かった。また、若い時から何らかの運動や競技に取り組んでいた訳でもなかった。ただ「やろう」という動機と積極性と行動力は特筆されるべきであろう。その上で、持久系運動の娯楽性を満喫していると言えよう。他方、若干ながら競技者でもあった場合は、競技性と娯楽性の共存や競技性から娯楽性への転換など、若干の心理的境界を経験するようであった。 本研究は、数量的に高齢者の運動行動を解析したものではないので、一般的傾向として論ずることは難しい。しかし、個々の事実として、高齢者の運動行動を当事者の言葉で採取し総括することで、一定の姿を描き出すことはできるように思われる。そしてこれらは、高齢化社会を迎えている我が国において、高齢者の溌刺と自律した生活を現実性を持って示す根拠となろう。また、適応的高齢者の生活のQOLを明らかにしてしくことの基礎となろう。 なお、本研究本助成金を得ての取り組みとしては一つの区切りとなるが、研究自体は今後も継続し、さらに研究協力者(高齢者アスリート)を得て、一定の成果を公開していきたい。 以上
|