2007 Fiscal Year Annual Research Report
短期入所サービス利用の痴呆性高齢者の家族介護者に対する問題行動対応方法教育の効果
Project/Area Number |
17659713
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小平 廣子 Fukushima Medical University, 看護学部, 准教授 (60305381)
|
Keywords | 認知症 / 介護負担感 / 教育的介入 / 介護保険施設 / 高齢者 / 家族看護 / 老年看護 / 短期入所サービス |
Research Abstract |
介護老人保健施設の短期人所サービスを利用している認知症高齢者の家族介護者に、BPSDへの対応方法に関する職員研修と教育的支援を実施し、BPSDの発生頻度および介護負担感への軽減効果の検証を行った。対象者は対照群が7名、職員研修と教育的支援を行った介入群が7名であった。対照群7名の介護者の平均年齢は65.0才、うち5名が女性、平均介護期間は9年5カ月、利用者から見た続柄は、娘3名、夫1名、嫁1名、息子1名、姪1名であった。家族の中に介護代替者ありが3名、1日の平均介護時間数は8.4時間であった。対照群の利用者の平均年齢は、91才、性別は7名全員が女性であった。平均要介護度は3.7、認知症と診断されてから調査までの期間は平均9年1カ月であった。介入群の介護者7名の平均年齢は64.7才、女性が5名、介護期間は平均6年2カ月、利用者からみた続柄は娘4名、息子2名、妻1名であった。介護代替者ありが2名、1日の平均介護時間数は8.4時間であった。介入群の利用者の平均年齢は86.3才、男性2名、要介護度は3.4、認知症と診断されてからの年数は平均4年10カ月であった。対照群と介入群の入所前と退所2週間後のBPSD発生頻度および介護負担感得点を分析した結果、BPSDの発生頻度は、対照群は相関係数0.995、t値1.012、介入群は相関係数0.991、t値1.482、両群の事前、事後の差による相関係数0.569、t値0.275であり、有意水準0.05%で両群に有意差はみられなかった。介護負担感得点では、対照群の相関係数0.992、t値-0.145、介入群の相関係数0.972、t値2.842、両群の事前、事後の差による相関係数-0.528、t値2.188であった。介入群において有意水準0.05%で介護負担感に有意差がみられた。上記の結果より、認知症高齢者の家族介護者にBPSDに関する職員研修およびBPSD対応方法の教育的支援を行うことは、家族介護者の介護負担感の軽減に有用であると言える。なお、介護老人保健設施の短期入所サービス利用の認知症高齢者は、同じ人が繰り返し利用しているため、入所者が限定されてしまい、1つの施設では十分な対象者数を確保することができなかった。職員研修内容の妥当性の検証も含め、今後、複数の施設で再度、同じ研究を行う予定である。
|