2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の転倒予防を主目的とした足把持力測定器の開発に関する研究
Project/Area Number |
17659720
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
村田 伸 Himeji Dokkyo University, 医療保健学部, 准教授 (00389503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 先也 第一福祉大学, 人間社会福祉学部, 講師 (20352354)
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 足把持力測定器 / 開発 / 信頼性 / 妥当性 |
Research Abstract |
本年度は、平成17年度に作成、平成18年度に再現性と妥当性が示された足把持力測定器を用いて、高齢者や骨・関節疾患を有する高齢者を対象に足把持力を測定し、以下の知見が示された。 1.健常成人と高齢者の足把持力を比較すると、高齢者の足把持力は健常成人の48,3%、最大値到達時間は214,3%であり、握力は71.2%であった。これらの成績から、足把持力や最大値到達時間などの足把持機能は、握力に比べ加齢の影響を受けやすいことが示された(理学療法科学22巻3号、341〜344に掲載)。 2.地域在住高齢者189名.を対象に、足把持力の性差や年代別の特徴を比較検討した結果、足把持力には性差が認められ、女性の足把持力は男性の約65%に過ぎないこと、また女性の足把持力は、加齢に伴い徐々に弱化が認められるが、とくに80歳以上でその低下が著しいことが見出された。これらの知見から、転倒との関連が指摘されている足把持力の評価やそれを向上させるためのトレーニングは、高齢者でもとくに80歳以上の高齢者に重要であることが示唆された(理学療法科学22巻4号、479〜482に掲載)。 3.変形性膝関節症(膝OA)高齢者と健常高齢者の足把持力および片足立ち保持時間を測定し、その測定値を比較することによって、疾患(膝OA)の有無による影響を検討した。その結果、膝OA群、健常群ともに足把持力と片足立ち保持時間との間に有意な正相関が認められた。また、膝OA群と健常群の比較では足把持力と片足立ち保持時間に有意な差が認められ、OA群の測定値が有意に低値を示した。今回の結果より、足把持力と片足立ち保持時間は、関節疾患の有無に関わらず関連性があることが確認された。また、膝OA高齢者では、足把持力が低下することにより、転倒の危険性が高まる可能性が示唆された(理学療法科学22巻4号、495〜498に掲載)。
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Research Products
(11 results)