2006 Fiscal Year Annual Research Report
花粉の遺伝的特徴解析を目的とした画像自動計測システムの開発
Project/Area Number |
17680026
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
尾崎 功一 宇都宮大学, 工学研究科, 助教授 (60282381)
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Keywords | 画像計測 / 花粉 / 育種 / 特徴解析 / 形状・模様・色の定量化 / 自動化 / マイクロスコープ / 計測制御 |
Research Abstract |
本研究では,経験的に行われている品種改良技術(交雑育種)の効率化に着目し,花粉の「形状」,「模様」,「色彩」を定量的な指標を計測量とし,花粉の性質を自動的に計測するシステムの実現を目指している。本年度における研究実績の概要を以下に示す。 (1)画像自動計測システムの拡張 昨年度導入した本システムの本体であるマイクロスコープシステムにXYZ3軸のマイクロ・マニピュレータを設置した。本マニピュレータの制御分解能は0.1μmであり,花粉の寸法(10〜50μm)を制御するのには十分な精度であることを確認した。そして,本マニピュレータの先端に直径1μmの針を取り付け,花粉に接触できるかどうかの試行実験を行った。本マニピュレータはUSB接続のマウスによって位置制御を行うことが可能であり,これによる手動操作で試料花粉に接触できることを確認した。 (2)三次元計測法の考案 プレパラート平面上にある花粉の場合には,比較的容易にマニピュレータ先端を接触させられるが,雄しべに付着している花粉の場合には,奥行き方向の位置が定まらないために接触させることが困難であることがわかった。そこで,ズームによる視差から奥行き方向を算出する方法(「ズーム計測法と視差による不確定な領域の評価」,精密工学会誌,Vol.70,No.4,pp.512-516,2004)を試みることとした。現在のところ,ズームレンズの高精度に焦点距離を算出できるため,大まかな距離を算出できることのみを確認している。これについては来年度の課題とする。 (3)花粉解析の実施例の発表 本研究で提案している計測方法の妥当性を示すために,平成16〜17年度に測定したタンポポを例題に植物の遺伝的特徴が把握できることを査読付き論文に発表した。
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Research Products
(1 results)