2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質相互作用解析に基づく新規難聴関連分子の探索とヒト難聴モデルマウスの作製
Project/Area Number |
17680034
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
吉川 欣亮 Tokyo University of Agriculture, 生物産業学部, 准教授 (20280787)
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Keywords | stereocilia / ヒト難聴モデルマウス / Sans / whirlin / Harmonin / バンド4.1 / p55 / ENUミュータジェネシス |
Research Abstract |
内耳有毛細胞の不動毛の発生・維持に関与する新たな分子の同定、さらに、新規ヒト難聴モデルマウスの樹立を目的として解析を行い、以下の結果を得た。 1.内耳有毛細胞で機能する新規スカフォールド蛋白質に相互作用する蛋白質の探索および同定:過去2年間に引き続き、内耳有毛細胞で機能する3種のスカフォールド蛋白質であるSANS, HarmoninおよびWhirlinと相互作用する蛋白質のスクリーニングを行い、新たに5種の候補蛋白質を単離した。 2.4.1NをプローブとしたマウスENUミュータジェネシスライブラリーのスクリーニング:Whirlinとの相互作用が明らかとなったGnb211および4.1Nのマウス突然変異体を得るため、理化学研究所ゲノム科学総合センターのマウスENUミュータジェネシスライブラリーからそれぞれの遺伝子に変異をもつマウスのスクリーニングを行った。その結果、4.1Nにおいて455番目のアスパラギンがセリンに置換した個体(Asn455Ser)および17番目のグルタミン酸がグリシンに置換した個体(Glu17Gly)の計2個体のミスセンス突然変異をもつ個体を単離した。現在両個体の系統化を行っている。 3.4.1Rノックアウトマウスの解析およびp55ノックアウトマウスの作製:Whirlinと内耳有毛細胞で複合体を形成することが判明したMAGUKファミリーのp55ノックアウト(KO)マウスの作製、およびバンド4.1のアイソフォームである4.1R-KOマウスの解析を試みた。その結果、4.1R-KOは昨年度報告書で示したように聴力異常を示し、特に蝸牛神経細胞節の細胞減少が認められた。また、p55のKOマウスについては2系統の変異ES細胞株を単離したが、生殖細胞へは分化せず、現時点でKOマウス作製には至っていない。現在継続してp55-KOマウスの作製を行っている。
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