2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17680040
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Research Institution | Research institute for Brain and Blood Vesseis Akita |
Principal Investigator |
中村 和浩 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 研究員 (10312638)
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Keywords | NMR / 高偏極 / キセノン / 組織酸素分圧 / ケミカルシフト / MRI / 脳 / 縦緩和時間 |
Research Abstract |
高偏極キセノンの組織縦緩和時間(T1xe)と脳内酸素濃度の関係を見出し、新しい脳機能測定手法を開発することが本研究の目的である。今年度は、まず生理状態の違いによりT1xeが変化していることを確認することにした。キセノン信号の減衰特性には、脳血流量(CBF)とT1xe双方の寄与が含まれるため、まずCBFを別の手法により推定し、その結果に基づきT1xeを分離して推定する。CBF推定法として、動的磁化率コントラスト法および持続的スピンラベル法(CASL法)を検討し、CASL法では比較的定量的な値が得られることがわかった。炭酸ガスをラットに直接吸入させることで血液中の炭酸ガス分圧(PaCO2)を制御する実験により、CASL法により推定されたCBFはPaCO2と良い相関関係が認められた。偏極キセノンの測定時にCASL法でCBFを推定することは困難であるため、PaCO2をもって、CBFを推定することにした。その結果、キセノン信号の減衰特性から精度よくCBFの影響を分離することが可能であり、測定されたT1xeはおよそ18秒を示した。測定した6匹のラットにおいてCBFが変化しているにもかかわらず、信号減衰特性が変化しない例が複数に認められた。このことは、T1xeが生理状態の違いにより変化していることを示唆する。予備的な解析においては、T1xeの変化と血中酸素濃度には明瞭な相関関係は認められなかった。 高偏極キセノンガスを安定に供給するため、偏極セル9個の初期状態を検討した結果、満足のいく高偏極信号が得られる偏極セルは3個であり、3個は低い測定値を示し、3個はレーザー照射時に温度制御不能となった。これは、Rb原子の容器内壁への付着によるキセノン緩和過程の変化に基づくものと考えている。
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