2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫能、炎症、老化に関する制御機構の解析と運動・栄養による予防医学的介入研究
Project/Area Number |
17680047
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 克彦 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師 (80344597)
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Keywords | 運動処方と運動療法 / 栄養指導 / 加齢・老化 / 運動とトレーニングの分子機構 |
Research Abstract |
前年度にシステム構築した免疫学的測定系(酵素免疫測定法、好中球の遊走能・貧食能・活性酸素産生能、リンパ球の増殖能、ナチュラルキラー細胞活性、フローサイトメーターによる細胞表面分子の解析、PCRによる遺伝子発現)を応用し、炎症、老化に関する機序の解析と運動・栄養による予防医学的介入研究に着手した。具体的には、筋炎を誘導する伸張性運動負荷と鉄人トライアスロンのような激しい持久性運動負荷によって血中で変動する免疫指標、サイトカイン・炎症マーカーについて検討し成果を論文として発表するとともに、さらにこれらの指標は筋損傷でなくエネルギー代謝に関連して変動すること、物質によって変動ピークが経時的に異なること、運動処方レベルの中等度運動ではほとんど変動しないことを追加実験にて特徴づけた。これらの結果をふまえ、熱中症、筋損傷予防のための水分・糖質補給法の基礎検討を進め、浸透圧調節性の水分・糖質補給によりストレスホルモンや免疫抑制性のサイトカインの応答を制御できる可能性を認めた。また運動の継続で生じる適応、すなわちトレーニング効果についても免疫学的側面から検討を進め、高齢者・がん患者を対象とした筋力トレーニングの介入研究を行い、高血圧や貧血、高脂血症等が改善したほか、炎症マーカーの血清アミロイド蛋白Aが低下することを見出し、筋肥厚との関連を検討している。また、スポーツ選手の強化鍛錬期には感染抵抗力が低下することを免疫学的に評価し、免疫活性化サプリメントである牛乳の初乳(bohne colostum)を用いた介入研究を行い、スポーツ選手のコンディショニングに有益な知見を得た。以上の研究成果は、米国生理学会、米国スポーツ医学会、国際運動免疫学会等の国際的学術雑誌に掲載された。
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Research Products
(5 results)