2005 Fiscal Year Annual Research Report
見た目の良い野菜は栄養性・機能性も優れているのか?
Project/Area Number |
17680048
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山口 智子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (70324960)
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Keywords | 加熱調理 / 野菜 / アスコルビン酸 / ラジカル捕捉活性 / ポリフェノール / ピーマン / パプリカ / 色 |
Research Abstract |
野菜には生活習慣病や老化を予防する機能性成分が多く含まれることが明らかになっている。近年、市場では色の異なる野菜や小型のものなど、見た目に珍しい野菜が出回わり、野菜を購入する際の選択肢が多様化している。そこで本研究では、野菜に含まれる機能性成分のうちラジカル捕捉活性とそれに寄与する成分について着目し、色と大きさの異なる野菜の調理特性を評価した。緑(大・小)、赤(大・小)、オレンジ、黄色の6種類のピーマンまたはパプリカを電子レンジ加熱(5分間)、炒め加熱(5分間)、ゆで加熱(5分および30分間)し、調理後のラジカル捕捉活性と総ポリフェノール量、アスコルビン酸含量、トコフェロール含量、フラボノイド含量、β-カロテン含量および総カロテノイド量を測定した。ラジカル捕捉活性とアスコルビン酸含量は、オレンジパプリカと赤パプリカで高く、ポリフエノール量は緑ピーマンで高かった。フラボノイドとして検出されたルテオリンおよびケルセチン量は緑ピーマンに最も多く、オレンジパプリカにはわずかに含まれる程度であった。次に、加熱調理の影響を調べたところ、調理後のすべてのピーマンにおいてアスコルビン酸含量、ラジカル捕捉活性、総ポリフェノール量、トコフェロール含量、総カロテノイド量の減少がみられたが、生のピーマンと比べて電子レンジ加熱および炒め加熱では有意な差ではなかった。一方、5分および30分ゆで加熱後のすべてのピーマンのアスコルビン酸含量、ラジカル捕捉活性、総ポリフェノール量は著しく減少した。ゆで加熱後の抗酸化性の減少は、成分のゆで汁への流出のためであった。加熱の際に水を使用しない電子レンジ加熱と炒め加熱は、抗酸化成分をより保持する加熱法であることが明らかになった。赤パプリカ、オレンジパプリカ、黄パプリカでは、小型の緑ピーマンおよび赤ピーマンに比べて調理中に抗酸化成分が残存する傾向にあった。
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