2006 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換型圧電素子光熱変換分光法による多層超薄膜半導体評価技術の開発
Project/Area Number |
17681014
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
福山 敦彦 宮崎大学, 工学部, 助教授 (10264368)
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Keywords | 多層薄膜半導体 / 非破壊評価 / 非発光電子遷移課程 / 圧電素子光熱分光法 / 光吸収スペクトル |
Research Abstract |
本研究課題は、従来の光学的手法が測定してこなかった非発光電子遷移過程に着目し、それを高感度で検出することで、多層超薄膜半導体各層の光吸収スペクトルを非破壊かつ高感度に測定する手法を開発することを目標とした。研究者代表者らが新規開発・発展させてきた圧電素子光熱分光(PPTS)法では照射光の断続周波数変化によって発生した熱の拡散長を変化させて深さ方向の情報が得られるが、その分解能は数百ミクロン程度が限界であった。ステップスキャン機能付きフーリエ変換型分光系(FTIR)の導入で様々な問題が解決され、深さ方向分解能が格段に向上できると期待される。今年度は以下の実績が得られた。 1.PPTS法にて評価実績のあるGaAsとSi単晶試料を標準試料として用い、現行PPTS法とFTIR-PPTS法で一致したスペクトルが得られるかどうかの確認を行なった。発生した熱の熱拡散長が試料厚さと同程度になる条件での測定の結果、FTIR-PPTS法で得られる信号強度がPPTS法の信号強度の数倍〜数十倍になることが分かった。 2.単一バルク試料に対するステップスキャン機能を用いた熱拡散長を変えての深さ方向スキャンでは、表面近傍に相当する信号と試料内部に相当する信号に違いが見出された。これは再結合せずに試料表面に到達した光励起キャリアによる光表面起電力が関与している可能性が指摘され、今後の研究で検討する必要がある。 3.市販FTIRではステップスキャンの周波数は離散的な値に固定されている。スキャン位置を決める熱拡散長は断続周波数と試料物性値に依存するため、任意の周波数に設定できるよう改訂が必要である。現状ではリニアスキャンを実施して各波数のデータを抽出し整理することで対処できるが、より精度の高い深さ方向スキャンには機器メーカーとの調整が不可欠であり、今後の課題として残された。
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Research Products
(2 results)