2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一キャリアのターンスタイル素子を利用した電流ミラー・電流増幅回路の動作実証
Project/Area Number |
17681018
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水柿 義直 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30280887)
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Keywords | クーロンブロッケイド / 単一電子デバイス / 単電子ターンスタイル / 電流ミラー / アルミニウム接合 / 希釈冷凍機 / モンテカルロ法 / 電子ビーム描画 |
Research Abstract |
本年度においては、微小トンネル接合において発現するクーロンブロッケイドを利用した単一電流ミラー回路について、数値計算および実験を行った。本研究で取り扱っているデバイスは、10個の微小トンネル接合からなる1次元直列接続アレイと4個の微小トンネル接合からなる1次元直列接続アレイ(通称、単電子ターンスタイル素子)とを、それぞれの中央電極で容量結合したものである。過去の研究において、この回路が電流ミラーとして動作することが、絶対零度を仮定した数値計算により示されていた。そこで本研究では、まずモンテカルロ数値計算モデルを拡張した。その結果、動作温度を有限温度とすると電流ミラー動作条件が大きく制限を受けることを明らかにした。さらに、デバイス内の容量のバランス、具体的には、結合容量値と電極自己容量値のバランスによって電流ミラー特性が大きく変化することも明らかとなった。また、回路内に生じる寄生容量が回路性能を制限することも見出した。これらの結果は、単電子電流ミラー回路動作に対する新しい知見である。また以上の結果をもとに実際に作製可能な回路パラメータを導き出し、電子ビーム描画とアルミニウムの斜め蒸着法利用したプロセスにて、回路を試作した。プロセス条件の最適化により、50nm×50nmの面積を有する微小トンネル接合の作製に成功した。希釈冷凍機を用いて約100mKの温度下にて回路特性を測定したところ、電流ミラーとなる程の電流の一致は見られなかったが、2本のアレイを流れる電流間に相関が確認され、またモデルの数値計算においても同様の特性が得られた。電流の一致が見られなかった主原因として、デバイス内の容量値が設計値の2分の1程度であったことが挙げられる。
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