2007 Fiscal Year Annual Research Report
単一キャリアのターンスタイル素子を利用した電流ミラー・電流増幅回路の動作実証
Project/Area Number |
17681018
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水柿 義直 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (30280887)
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Keywords | クーロンプロッケイド / 単一電子デバイス / 単一電子ターンスタイル / 電流ミラー / 電子ビームリソグラフィ / モンテカルロ法 / スピンバルブ |
Research Abstract |
研究代表者が考案した単一電子ターンスタイル素子を利用した電流ミラー回路の動作実証を目指し、アルミニウム微小トンネル接合を用いた素子作製、希釈冷凍機を用いた低温環境下測定、および数値計算による回路機能高度化の探索を行った。特に数値計算において、基本素子となる単一電子ターンスタイルにおける島電極自己容量の効果、高周波駆動された素子に零バイアス電圧下で発生する直流電流の影響を明らかにした。また、電流ミラー回路動作に関する実験結果と数値計算結果の比較を行い、1次元アレイ内の電流と単一電子ターンスタイル内の電流との間の相関を確認した。これらの成果は査読付学術論文誌に掲載されている。また、単一電子デバイスに大きな影響を及ぼす環境温度に関連して、デバイスを動作させることによって発生する熱による温度上昇を、。電子フォノン間の熱伝導を考慮したモデルにを用いて定量的に見積もったこの結果は来年度の国際会議にて報告予定である。また、単一電子箱内の離散電子数を単一電子トランジスタで検出する新しいデバイスを考案し、特許出願を行うとともに、国内学会での発表を予定している。この新デバイスについては、現在アルミニウム微小トンネル接合技術を用いて試作中である。また、この新デバイスの単一電子トランジスタを単一電子ターンスタイルに拡張し、これを用いて高精度なディジタル入力-アナログ電流出力変換器を設計した。その際、静的なクーロンブロッケイド特性には現れない各島電極の電荷状態がデバイス動作に影響することを見出した。
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