2005 Fiscal Year Annual Research Report
道路雪氷の含水率および含氷率が路面のすべり易さに及ぼす影響
Project/Area Number |
17681021
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
渡邊 洋 福井大学, 工学部, 特別研究員 (60333986)
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Keywords | 自然現象観測・予測 / 雪氷 / 路面状態予測 / 冬期道路 / すべり摩擦係数 |
Research Abstract |
(1)人工雪を用いた室内実験 実験はホイールトラッキング(WT)試験器を用いて、福井大学低温実験室で実施した。実験では、スタッドレスタイヤを積雪路面上で往復運動させ、タイヤ摩擦熱によって積雪層を融解させた。その結果、積雪層は圧雪、氷板の順に変化した。このとき、すべり摩擦抵抗(BPN)は0.8から0.2に指数関数的に低下した。 積雪路面にNaClを散布したWT試験では、BPNは無散布と同様に指数関数的に低下するものの、NaCl散布におけるμが無散布より小さくなる場合があった。これは、NaCl散布による融氷水が再凍結したことにより、かえって滑り易い路面になったと考えられる。 (2)すべり試験測定車による野外実験 実験は高精度すべり摩擦測定車を用いて、時速30km/hで湿潤、シャーベットおよび氷板路面のμ計測を実施した。特に,シャーベット路面の試験では,シャーベット厚さと質量含氷率を測定し、それらを変えながら繰り返し行った。その結果、シャーベットの質量含氷率とμとの間には密接な関係があり,シャーベット路面のμは質量含氷率の増加に伴い低下することが分った。なお、湿潤路面のμは約0.61、氷板路面のμは0.30程度であった。 時速50km/hのμ計測の結果から、上述した時速30km/hと同様の傾向が見られ、また同じシャーベット状態では、時速50km/hにおけるμは時速30km/hと比較して小さいことが分った。 NaCl散布後の圧雪路面のμ試験では、NaClの散布量を0、20、40および60g/m^2の4ケースとした。その結果、散布直後では、μは散布量が多いほど大きくなった。また、μは時間経過とともに小さくなり、散布量に係らず、約1時間後に無散布路面のμと同程度となった。
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