2006 Fiscal Year Annual Research Report
モザンビークの脱植民地化過程が周辺諸国に与えた影響に関する研究
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17681028
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
舩田クラーセン さやか 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70376812)
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Keywords | 脱植民地化 / 南東部アフリカ / ムスリム・ネットワーク / モザンビーク / タンザニア / ザンジバル / 解放闘争 / 移民労働 |
Research Abstract |
2006年度は、タンザニア南部及びザンジバル、モザンビーク北部のフィールド調査を中心に取り組んだ。 ザンジバルでは、モザンビーク北部の調査対象であるニアサ州マウア郡の元住民とその子孫への聞き取り調査を行い、大半のマウア出身者がイスラーム教を学ぶためにザンジバルに赴き、その多くが60年代のザンジバルをめぐる混乱期にモザンビークに帰っていることが明らかになった。これにより、1960年代という脱植民地化以前にはぐくまれた、マウアとザンジバルの間に結ばれていたムスリム・ネットワークを確認することができた。 タンザニア南部では、マウア出身者の多くが滞在したことが分かっている国境付近の農村部の調査を行った。特に、マクア人が多く暮らす村で聞き取り調査を実施し、マウア出身者が同地域を定住する場所としてではなく、(1)ザンジバルへの通過点、(2)病院のある場所として認識していたことが明らかになった。(この点は、先のザンジバルでの調査からも分かった。)マウア出身者は、長い距離を歩いて国境を越えた後、同地近辺のプランテーション等で労働するか、タンガのプランテーションに出稼ぎに行く仕事を斡旋者から見つけ、一定期間プランテーションで働いた後、ザンジバルに渡ってイスラーム教を学び、その後再びこの地を訪問してから、モザンビークに帰っていったことが分かっている。 モザンビーク北部では、以上の点について送り出し側からの話を聞いた。多くのタンザニアからの帰国者がイスラーム教のイマームとなりモスクを建造し、地域社会におけるイスラーム教の普及に重要な役割を果たしたことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)