2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17682001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本間 直樹 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 助教授 (90303990)
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Keywords | 子どもの哲学 / 対話教育 / 哲学教育 / ワークショップデザイン / 絵本研究 / 童話研究 / 媒介ツール |
Research Abstract |
初年度に引き続き、欧米における「子どものための哲学」の活動に関する調査と調査内容の詳細な分析を続けるとともに、日本における大学教育以前(小学校〜高校)に行われる哲学教育に関する詳細な研究を行った。本年度は、フランス(パリ)における小学生高学年向きの哲学対話の教育実践(オスカル・ブルニフィエ、ダニエル・ラミレズなど)の調査を引き続き行うとともに、マシュー・リップマンが創設したIAPC(子どものための哲学推進研究所/モンクレア大学)、および韓国などアジア地域における「子どものための哲学」推進に力を入れるコロンビア大学のミーガン・ラバティ氏を訪問し、当研究所における大学院教育(対話ファシリテータ養成を含む)の実際や、地元の小学校での哲学の授業に関する調査を実施し、かつ、これまでの日本におけるわれわれの試みに関する報告および共同プロジェクト関する協議を行った。 欧米の調査だけでなく、日本における小学校から高校までを対象とした授業プログラム作成に着手し、プラトンから現代まで哲学者によって書かれた対話篇を教材として検討するほか、初年度に引き続き、絵本、童話、寓話、芸術作品も対話の素材として多数検討し、対話ワークショップの場で実際に使用・検証を試みた。(これらの素材は哲学的対話のための資料集としてまとめられた。)また、こうした対話を媒介するツールについて、ワークショップによる検証と並行して「学習」に関する最新の研究(Y・エンゲストロームの活動理論および「発達的ワークリサーチ」理論)による理論的考察も行った。 また、上記で検討した対話教育プログラムおよび教材を京都府洛星高校および兵庫県西宮市立小学校にて実際に試行し、改善すべき点を確認することができた。両校における授業は来年度も継続し、引き続き検証を行う予定である。
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