2007 Fiscal Year Annual Research Report
キセノンガス中の極微量ラドンを測定する装置の開発と研究
Project/Area Number |
17684007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 康雄 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 准教授 (60272522)
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Keywords | ラドン / キセノン / 静電捕集 / フォトダイオード / 神岡 / ニュートリノ / アルゴン / XMASS |
Research Abstract |
今年度は、まず冷凍機を用いてアルゴン中のラドンの冷却トラップ性能の試験を行った。その結果当初試作を行った-105度に冷却した銅ウールを用いたトラップによる捕集効率は予想外に低いことが判明した。そのためコールドトラップ部分の再検討を行い、活性炭を用いた試験を行った。アルゴン中の微量ラドンに対して、ラドンのトラップとリリースは予測通り行うことが確認できた。ただし当初予定していたコールドトラップ本体でのラドン濃度測定よりは、我々が開発した高感度ラドン濃度測定器を接続し、ガスを循環させたシステムの方が測定効率が高くなることが判明した。例えば、-105度に冷却した6gの活性炭トラップに3L/minの流量でアルゴンガスを流した場合、吸着率92%、脱離率99%、という仮の結果が得られた。循環系を含めたバックグラウンドレベルは13mBq/m^3であった。仮に、5mBq/m^3のシグナルを検知できると仮定すると、3L/minで4日間の捕集を行った場合に140倍の濃縮率になるため、この場合のアルゴン中のラドンに関する検出可能な濃度は36μBq/m^3と見積もられる。一方、冷却活性炭によるキセノンガス中のラドンのトラップは、キセノンとラドンの粒径が近いため、活性炭によっては全く捕集できない場合もあった。ポアサイズを選別した活性炭10gを使用した場合、流量1L/minで吸着率92%という結果が得られた。4日間の捕集で14.6倍の濃縮率になり、検出可能なキセノン中ラドンの濃度は0.3mBq/m^3と見積もられる。 当初目標の感度は、0.1mBq/m^3であった。アルゴン中ラドンに関しては目標レベルを達成できた。キセノン中ラドンに関しては、活性炭の量を増量し、吸着効率を100%近くに高めることにより当初目標に到達すると見込まれる。現在、アルゴン中ラドンの測定に関する論文公表の準備を行っている。
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