2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射光軟X線を用いた元素選択磁化測定による磁性研究の新展開
Project/Area Number |
17684013
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
中村 哲也 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門・軟X線赤外チーム, チームリーダー主幹研究員 (70311355)
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Keywords | 放射光 / 円偏光 / 軟X線 / 磁気円二色性 / 蛍光X線 / 磁性材料 / フラーレン / 交換バイアス |
Research Abstract |
本研究はSPring-8BL25SUに設置した電磁石軟X線MCD装置に本補助金にて追加整備した蛍光収量法、および、透過法によるMCD測定機能を用いて進められた.実験装置の高度化を伴うMCDの手法開発を進めることにより、従来の磁気測定手法では成し得なかった新しい切りロで新規性の高い磁性材料の磁気特性について研究を行った.H19年度の装置高度化として、軟X線CCDを利用した蛍光収量法によるMCD測定を可能にした(SPring-8実験課題2007A1931).一方、東北大(角田准教授)と進めてきた巨大交換磁気異方性を有するMnlr/CoFe二層膜の界面磁性研究では、Mnの非補償スピンが反強磁性と強磁性界面付近に選択的に誘起される事実を透過MCD実験により明らかにした(JAP101,09E510(2007)).さらに、強磁性層(FeCo)におけるFeとCoの組成比を変化させると、交換異方性エネルギー(J_k)とMCD強度に比例関係が成立することを見出した(論文準備中).また、希土類内包フラーレンの磁気特性解明のためのMCD実験は、名古屋大の篠原教授との共同研究として進められ、Er,Gd内包フラーレンの他、Gd内包フラーレンをカーボンナノチューブ内に取り入れた、いわゆる、Gdピーポットの磁気特性(常磁性帯磁率、ワイス温度)を明らかにした(Phys.Rev.B76,172409(2007)andJ.Phys.ChemC112,6103(2008)).以上の成果の他にも、Auの傾斜基板上に成長させたFeのナノワイヤーに関するMCD実験等でも成果(Phys.RevB75,245423(2007))を得ており、本研究課題によってMCDによるナノ材料を中心とした新規磁性体の磁気特性研究を加速的に推し進めることに成功した.
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Research Products
(4 results)