2006 Fiscal Year Annual Research Report
周期静電磁場を用いた原子状態の新しい操作方法の研究
Project/Area Number |
17684023
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
畠山 温 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (70345073)
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Keywords | 磁気共鳴 / レーザー分光 / 光ポンピング / 原子光学 / レーザー冷却 |
Research Abstract |
本年度は、真空中で原子ビームと周期磁性体を相互作用させるための装置の開発を主に行った。当初は室温程度の速度を持つ比較的高速な原子ビームを使用する予定であったが、新たに報告された論文を検討するなどした結果、レーザー冷却されて速度が小さく、良く速度のそろった原子ビームを用いることに計画を変更した。これは、本研究課題の最終的な目的である、周期場による原子の内部共鳴遷移の際に起こる運動状態の変化の観測をより明瞭に行うためである。そのためにレーザー冷却システムを一から立ち上げ、ルビジウム原子を真空容器中で捕獲し冷却することに成功した。また、それを解き放ち、重力によってビーム状に取り出すことにも成功した。周期磁性体との相互作用の実験には、今一歩のビームの高品質化、すなわち、密度を上げる、速度をそろえる等が必要であるが、開発はほぼ順調に進んでいると言って良い。 一方、原子と相互作用させる周期磁性体についても新たな着想に基づき研究を進めた。すなわち、磁性体表面の周期磁場との相互作用をより制御された条件で行うため、透明な磁性体を用い、レーザー光をそこに入射して原子の運動を補助的に制御してやるという方法をとることにした。そのために、透明な磁性体のサンプルを手に入れ、その性能を評価した。現在のところ、最終的な実験にそのまま使える磁性体の作成の段階までは至っていないが、この方針で引き続き磁性体の準備を進める方向性は確認できたと考えている。
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