2007 Fiscal Year Annual Research Report
周期静電磁場を用いた原子状態の新しい操作方法の研究
Project/Area Number |
17684023
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
畠山 温 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (70345073)
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Keywords | 磁気共鳴 / レーザー分光 / 光ポンピング / 量子エレクトロニクス / 原子・分子物理 |
Research Abstract |
本年度は、大まかに分けて以下の2つの観点から研究を行った。 1.レーザー冷却原子ビームと表面周期磁場の相互作用による磁気共鳴 レーザー冷却ルビジウム原子ビームの高品質化をめざして、レーザー冷却実験システムの改良をすすめた。レーザーの安定化や、レーザー光の周波数・強度の制御、また冷却に必要な磁場の制御を行った結果、ビームの速度広がりを小さくすることに成功した。そして、鉛直下向き方向への原子ビームの生成を行った。今後計画している原子の打ち上げによる鉛直上方へのビームの生成は、同じシステを用いて実験することができる。表面周期磁場として用いる予定の微細磁気記録のできる透明磁性体に関しては、適当な材料を見いだすことがまだできておらず、今後の課題として残った。 2.熱原子ビームと立体的な静周期磁場構造体の相互作用による磁気共鳴実験 上記のように二次元的にビームを面すれすれに通して相互作用を起こすのではなく、立体的な周期磁場構造体の中を原子ビームを通すという実験を行った。この実験は、どのように立体磁場構造を作成するかが難しいが、いったんそれが用意できさえすれば、ビームのコントロールにはあまり気を使う必要がなくなる。また相互作用領域が大きいので共鳴を起こす原子数を上げることができ、信号雑音比が格段に向上することが期待できた。実験では、導線を周期的に配列した基板を隙間を確保しつつ積み重ねて立体周期磁場をつくり、そこにオーブンから発生したルビジウム原子ビームを通した。期待通り、これまで得られていたものより、信号雑音比、線幅ともに改善された磁気共鳴スペクトルが得られた。
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