2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ電界放射型X線管球を用いた超小型X線蛍光・回折分析器の開発
Project/Area Number |
17684024
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
岡田 達明 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部固体惑星科学研究系, 助手 (30321566)
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Keywords | カーボンナノチューブ / X線管 / 電界放射 / X線蛍光 / X線回折 / 惑星探査 / 宇宙機器 / 物質分析 |
Research Abstract |
本研究は、新素材カーボンナノチューブ(CNT)の応用によって小型軽量化が可能となる宇宙探査機搭載用X線管を1次X線源として用いる月惑星探査用X線蛍光回折分析器の開発を目的とする。その目的の実現に特に重要なのが、X線管の小型化技術である。計画1年目の平成17年度は、X線管小型化のための課題の抽出、試作のための仕様策定と設計に重点を置いた。小型化に伴う検討課題には、管内での高電圧による放電、脱ガスによる真空度の劣化による寿命がある。そこで、真空管封じ込み技術、放電防止技術、脱ガス技術、電子銃からの電子を加速させる技術(電極構造)、および内部機器構成の検討を実施した。これらは製造技術とも大きく関係するため、これらの技術をもった国内メーカーと協力して進めた。さらに試作のための詳細設計と部品の調達を進めた。このための物品購入経費を計上した。平成18年度に試作品を製造し、設計の評価と改良点の抽出を行い、試作2号機の検討に活用する予定である。 小型X線管試作の仕様検討と並行して、CNT自身の素性の理解、CNTの電極への貼付方法の検討も重要である。研究室内の既存の実験装置を用いて電極間距離や電極構造の違いによるX線放射効率の差異を調べた。また、岩石試料に対するX線分析に実際に用いることで、現時点の性能が要求レベルに達するものであることも確認した。後者の課題については製法の異なる複数の製造元からCNTを入手し、X線強度の違い、CNT電極の安定性や寿命の違いの調査を継続的に行ってきたが、今年度も実施した。また、CNTや接着剤からの脱ガスの効果を評価するための実験を開始した。これらの実験のための計測系、真空部品等の物品購入経費を計上した。
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Research Products
(3 results)