2006 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線フーリエ変換ホログラフィによるナノ微細構造観察手法の確立
Project/Area Number |
17684030
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
錦野 将元 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (70370450)
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Keywords | 軟X線レーザー / フーリエ変換ホログラフィ / フレネルゾーンプレート |
Research Abstract |
高空間分解能で観察でき深さ方向の情報も記録できることから生物試料の観察の分野において開発が期待されているX線ホログラフィに関して、空間完全コヒーレント軟X線レーザーと軟X線用フレネルゾーンプレートを用いて、超高空間分解能を持つフーリエ変換型X線ホログラフィ計測法を開発する。フーリエ変換ホログラフィの空間分解能はフレネルゾーンプレートの設計と光源であるX線レーザーの特性(発散角、空間コヒーレンス、フレネルゾーンプレートまでの距離)により決定される。本年度はX線ホログラフィ実験においで光源となる高空間コヒーレントX線レーザーの最適化と高出力化に関する実験を行った。この実験の成果によりこれまでに得られていた高空間コヒーレントX線レーザーより10倍以上大きい出力(約2マイクロジュール)のX線レーザーを発生させることができた。この高空間コヒーレントX線レーザーにより軟X線フーリエ変換ホログラフィ実験において使用する直径500ミクロン程度のフレネルゾーンプレートへ高い効率でX線を入射させることが可能であることを確認した。この高空間コヒーレントX線レーザー発生に関しての実験結果についても解析を進め成果を発表する予定である。これらの成果に関して「第10回X線レーザー国際会議」において成果の発表を行った。また、フレネルゾーンプレートによって得られた干渉像に関しての解析を行うためのコヒーレントX線の伝搬、及び干渉や回折を解析するためのX線波動光学コードの開発を引き続き行っている。今後、実験配置の最適化を行い、X線フーリエ変換ホログラフィ計測実験及び解析を行う予定である。
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