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2006 Fiscal Year Annual Research Report

2色赤外非線形分光法による溶液中での分子集合体の水素結合ダイナミクス

Research Project

Project/Area Number 17685001
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

太田 薫  神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (30397822)

Keywords赤外パルス光 / 非線形分光法 / 水素結合ダイナミクス / 分子会合体
Research Abstract

1、昨年度に改良した赤外過渡吸収法の測定系を用いて、四塩化炭素中でのフェノール自己会合体の振動エネルギー緩和過程について研究を行った。実験結果から過渡吸収の時間変化に大きなプローブ波数依存性が観測されることを見出した。フェノールと塩基分子との会合体の場合では、過渡吸収の時間変化に顕著なプローブ波数依存性は観測されておらず、異なる振る舞いが見られることを初めて明らかにした。これまでの結果を総合して、フェノールと塩基分子の会合体では水素結合ダイナミクスはエネルギー緩和よりも速く起こっているため、過渡吸収信号の減衰にプローブ波数依存性が見られないと結論した。一方、フェノール自己会合体では、水素結合ダイナミクスにエネルギー緩和と同程度かそれよりも遅い構造緩和過程が存在するため、過渡吸収の減衰に顕著なプローブ波数依存性が観測されたと考えられる。
2、昨年度に構築した2台の光パラメトリック発生/増幅および差周波発生装置をベースとして、赤外非線形分光法の測定系の構築を行った。まず、3-パルスフォトンエコー法の測定系を構築し、装置の性能評価を行った。また、異なる振動モード間の相互作用の大きさや相関を調べるために、ヘテロダイン検出フォトンエコー法をベースとした2次元赤外分光法の測定系も合わせて構築を進めた。実験では、赤外パルス光を4つにわけ、そのうち3つを励起光として用いる。残りを局所発振光として用い、サンプルから発せられた非線形光学信号を測定した。今年度購入した赤外検出器用データ取得システムを導入することにより、非線形光学信号のスペクトルをレーザーショットごとに測定することができ、短時間で2次元赤外スペクトルを測定することが可能となった。現在、予備的なデータは得ており、さらなる測定感度向上や解析方法の検討を行っている段階である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Vibrational Population Relaxation of Thiocyanate lon in Polar Solvents Studied by Ultrafast Infrared Spectroscopy2006

    • Author(s)
      Kaoru Ohta
    • Journal Title

      Chemical Physics Letters 429

      Pages: 136-140

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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