2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17685005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 秀一 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (10322538)
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Keywords | 自己集合 / 分子認識 / 金属配位子交換 / 遷移金属イオン / ディスク状三座配位子 / ナノカプセル |
Research Abstract |
ヘキサフェニルベンゼン骨格に三つの3-ピリジル基を導入したディスク状三座配位子(L)と十種類の二価遷移金属イオン(M : Mn, Co, Fe, Ni, Cu, Pd, Pt, Zn, Cd, Hg)から、同一構造を有する八面体型六核M_6L_8カプセル錯体が定量的に形成することを見いだした。Hg_6L_8錯体について単結晶X線構造解析を行った結果、正八面体の頂点上に六つのHg^<2+>イオンが配置し、各八面をディスク状三座配位子が占めるカプセル構造であることが明らかとなった。この他の二価金属イオンから作られるカプセル錯体については、NMRおよびUV測定による滴定実験、ESI-TOF mass測定からその構造を同定し、さらに^1H DOSY測定から求めた拡散係数を比較したところ、各錯体のもつ拡散計数値はほぼ一致し、これらの錯体は同一の八面体型カプセル構造であり、頂点上の金属イオンのみが異なることが示された。さらに、Hg_6L_8およびZn_6L_8錯体については、八面体型六配位構造上のアキシャル位に位置する二つの対アニオン(CF_3SO_3^-、ClO_4^-)のうち、カプセル構造の内側に存在する六つのみが、選択的に他のスルホン酸イオン(CH_3SO_3^-、p-TolSO_3^-、3-PySO_3^-)と交換できることが明らかとなった。この結果、カプセル錯体上の六つの金属イオンを足場とした内部空間の官能基化が実現され、特にディスク状三座配位子上に配位部位として導入されたピリジル基をもつピリジンスルホン酸が錯体構造を崩壊させることなくカプセル内部に修飾できたことから、今後、これらのピリジル基を利用した金属イオンの集積化や、これらの官能基を利用した分子認識、化学反応への利用が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Isostructural Coordination Capsules for a Series of 10 Different d^5-d^<10> Transition-Metal Ions2006
Author(s)
Hiraoka, S., Harrano, K., Shiro, M., Ozawa, Y., Yasuda, K., Toriumi, K., Shionoya, M.
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Journal Title
Angew.Chem., Int.Ed. 45
Pages: 6488-6491
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