2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次複合型カテキンオリゴマーの合成と機能探索に関する研究
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17685007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 建 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50282819)
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Keywords | ポリフェノール / カテキン / フラボノイド / カテキンオリゴマー / プロシアニジン / ガロカテキン / エピガロカテキン |
Research Abstract |
カテキン、エピカテキン等のフラボノイド系ポリフェノールは、茶やワインの成分としてなじみ深いが、これらは容易に構造変化を受けやすく、一般に近縁化合物の分離困難な混合物としてしか得られないため、個々の化合物の性質が調べられた例はほとんどない。その一方で、天然由来のポリフェノール類は多種多様な一大化合物群を成しており、カテキンオリゴマーに顕著な抗腫瘍性が報告されたことなどに注目すると、未知の有用な生理活性の発見が期待される。したがって、天然から得ることが難しい各種の類縁体を合成により供給できれば、この領域のさらなる進展に大きく寄与できる。そこで本研究では、カテキン類(モノマー)ならびにカテキンオリゴマーの一般的な合成法の開発を目指し研究を行った。その結果、水酸基の数や立体配置が異なる様々なカテキンユニットを合成とする可能な汎用性の高い方法論を開拓することに成功した。本法の特徴は以下の三点である。第一に、2つの合成単位を設計、合成し、これらをC-O結合を介して結合させる。第二に、Baldwin則では不利とされる(6-endo-tet)型の閉環を避けるため、合成中間体内に存在するオキシラン環を開環し、ハロヒドリンヘと変換する。第三にはピラン環を構築するために4位と4a位の炭素間でC-C結合形成する。実際に本法を用い、ガロカテキン、エピガロカテキンをはじめとする各種のカテキン類縁体を効率的かつ立体選択的に合成することに成功した。
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