2006 Fiscal Year Annual Research Report
高密度ポリマーブラシ/無機微粒子複合系(準ソフト系)コロイド結晶の科学
Project/Area Number |
17685010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 工司 京都大学, 化学研究所, 助手 (00335217)
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Keywords | ポリマーブラシ / コロイド結晶 / リビングラジカル重合 / 微粒子 / 光学材料 / 中空構造 |
Research Abstract |
濃厚ポリメタクリル酸(PMMA)ブラシを付与したシリカ微粒子のグラフト膜厚とグラフト鎖形態との関係を明らかにすることを中心課題とした。シリカ微粒子(直径130nm)にほぼ一定のグラフト密度(0.7chains/nm^2)で鎖長を異にするPMMAブラシを付与し一連の複合微粒子を調製した。それら試料の流体力学的グラフト膜厚(h)を動的光散乱測定により決定し、調べたPMMAの分子量域において、hはM^<0.83>_w(M_wは重量平均分子量)に比例することが明らかとなった。hと分子量指数の関係を理解するためにDaoud-Cottonのスケーリング模型を考えた。結果を要約すると、ブラシ膜は半径r_cを境界とし、これより内部を濃厚ブラシ層、外部を準希薄ブラシ層に二分される。濃厚ブラシ層では排除体積効果が遮断され、ブラシ膜厚は非摂動状態のブロブ鎖の半径方向への積層で表現される。準希薄ブラシでは、膨潤したブロブ鎖がこれに換わる。ここで使われた試料においては、PMMA分子量(M_w)が188,000付近で排除体積効果が顕著に現れ始めこのあたりがr_cとなる。これより大きい分子量域では、準希薄ブラシ領域へと移行していく。グラフト鎖の形態が複合微粒子表面のポテンシャルに大きく影響を与えることが予想され、グラフト鎖の形態と複合微粒子から成るコロイド結晶構造の相関を明らかにすることが今後の重要課題となる。 また、濃厚ブラシ付与微粒子を水面上に結晶状に配列させる手法を確立し、二次元コロイド結晶を作成することに成功した。さらに、濃厚ブラシを有する単分散中空微粒子の創製法を確立するとともにこの高次構造制御にも取り組んだ。
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Research Products
(3 results)