2006 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴振動現象による動的格子変位効果を用いた窒化物複合薄膜触媒の反応選択性制御
Project/Area Number |
17685014
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 信雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (40313572)
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Keywords | 個体触媒 / 共鳴振動 / 格子変位 / 合金触媒 / 窒化物触媒 / 反応選択性 / 触媒活性 |
Research Abstract |
化学反応を促進する固体表面の触媒作用を外部信号により‘in-situ'で制御し、新規な触媒機能を発現させることは極めて興味深い課題である。これまでに、強誘電体結晶に高周波を印加することによって発生できる共鳴振動が、その結晶表裏に接合した金属および金属酸化物の触媒活性や反応選択性を顕著に変化させる効果を持つことを見出してき海。本研究ではさらにこの共鳴振動効果を発展させ、高度な機能を持つ固体触媒系の構築を目指し、(1)異種元素複合化触媒に及ぼす共鳴振動効果、および(2)窒化物触媒に及ぼす共鳴振動効果について検討した。(1)の検討において、単一触媒であるAg上のエタノール分解反応では、共鳴振動はアセトアルデヒド生成には影響を与えず、エチレン生成のみを増加させる効果を持つが、異種元素を複合化したAgAu合金(20%Ag-80%Au)上のエタノール分解では、逆にエチレン生成にはほとんど変化を与えず、アセトアルデヒド生成を増加させる効果を持つことを見出した。(2)の検討においては、発光材料として幅広く利用されている窒化ガリウム(GaN)に着目し、GaN薄膜の触媒作用に及ぼす共鳴振動効果を調べた。強誘電体基板上にトリコン波励起RFスパッタ法によりGaN薄膜を100nmの膜厚で接合し、窒化物触媒素子とした。GaN薄膜上のエタノール分解反応において、共鳴振動はエチレンの生成のみを顕著に増加させる効果を持つこと、さらに、触媒活性化効果はGaN薄膜の結晶性および表面構造と密接に関連することを明らかにした。
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