2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝暗号表の完全な書き換えと非天然タンパク質合成への応用
Project/Area Number |
17685017
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
芳坂 貴弘 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (30263619)
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Keywords | 蛋白質 / 核酸 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 分子認識 / tRNA / 翻訳 / 非天然アミノ酸 |
Research Abstract |
まず、大腸菌の全てのアミノ酸用のtRNAについて、その配列を3分割したオリゴヌクレオチドを設計して、それらを用いてT7プロモーターを上流に持つtRNA遺伝子を化学合成した。続いて、T7 RNAポリメラーゼを用いて転写することによって全てのtRNAを合成した。また、化学的アミノアシル化法により、これらのtRNAに蛍光標識アミノ酸(BODIPY FL-アミノフェニルアラニン)を付加した。それらの翻訳活性を評価するために、まずストレプトアビジン遺伝子を用いて蛍光標識アミノ酸の導入を評価した。大腸菌由来無細胞翻訳系に、合成した蛍光標識アミノ酸-tRNAとストレプトアビジンmRNAを添加し、生成したタンパク質をSDS-PAGEで分離後、蛍光イメージ測定によって分析した。その結果、多数のtRNAについてその翻訳活性を確認することができた。一方、それぞれのtRNAに付加するために、天然アミノ酸についてのアミノアシル化ジヌクレオチドを全て化学合成した。これらを用いることで無細胞翻訳系において全てのアミノ酸が特定のコドンに対して導入できることを確認した。ただしその導入効率はアミノ酸の種類に大きく依存していたことから、それぞれのアミノ酸に適したtRNAを使用する必要性が示唆された。また、再構成無細胞翻訳系以外での遺伝暗号表の書き換えの可能性を検討するために、アミノアシル化AMPアナログを用いて、アミノアシルtRNA合成酵素の活性を阻害することを試みた。
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