2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物ナノチューブを拘束鋳型とする異方構造制御材料の創製
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17685021
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
中山 忠親 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助手 (10324849)
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Keywords | ナノ材料 / ナノチューブ / 複合材料 / 無機工業化学 / 自己組織化 |
Research Abstract |
前年までの結果において酸化物ナノチューブの内壁にニッケル、パラジウム、白金などのナノ粒子を析出させることに成功し、このことによって6-7nmと粒径の整ったナノ粒子の整列体あるいは、直径6-7nm、長さ数十nmのロッド状金属の合成が可能であることを明らかとしてきた。しかしながら、この材料の合成においては、チタニアナノチューブがおよそ300度2時間の熱処理によって構造が崩れてしまうという問題を有しており、このために有機金属化合物の種類が限定されてしまうために本プロセスの広範な材料系への適用が困難であった。そこで、本年度においてはチタニアナノチューブ自体の耐熱性を高めること、また、ごく短時間の熱処理にすることで高温条件での合成が可能であるかの二点を達成することを目的とし、前者に対してはチタニアナノチューブへの第2元素の固溶による耐熱性向上を試みた。 先ず、チタニアナノチューブ自体の耐熱性向上のために、ナノチューブ合成時にマンガン、クロム、ニッケル、バナジウム、イオウなどを同時付与し、ドーピングを試みた。この結果、クロム、イオウが比較的高い濃度で固溶する可能性を見出した。特に、クロムをドーピングしたナノチューブにおいては400度1時間の熱処理でもナノチューブ構造が維持されることを確認し、ドーピング効果がナノチューブの耐熱安定性に好影響を与えることが示唆された。この結果を踏まえ、クロムを添加したチタニアナノチューブに対し、400度10分の条件でパラジウムを複合化させる実験を行った所、従来と同様の構造を得られることを明らかとし、次年度以降においてより広範で複雑な材料系への適用が可能となることの道筋を付けた。
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Research Products
(5 results)