2006 Fiscal Year Annual Research Report
周期構造を有するゲルの特異的光反射挙動の解明と新規フォトニックデバイスの構築
Project/Area Number |
17685023
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹岡 敬和 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20303084)
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Keywords | コロイド結晶 / 構造色 / ゲル / センサー |
Research Abstract |
本研究で調製したゲルは、球状のシリカ球が最密充填化したコロイド結晶を鋳型に利用して、感温性の高分子ゲルに、光の波長と同程度の長さの周期で細孔を有する構造を導入した。得られたゲルは、特定の波長の光を選択反射することが可能となり、その波長が可視光領域にあれば、ゲルから"構造色"が観察されるようになった。使用したゲルは、温度に応答してその体積が大きく変わるゲルなので、温度の変化に伴って細孔の周期が変化し、ゲルから観測される構造色が変化した。 これまでの研究では、ゲルの長さを測定することで、網目を構成する高分子鎖の拡がり具合を評価できることがわかっていた。さらに、コロイド結晶を鋳型に用いてゲルを作り、光の波長ほどの大きさの周期構造をゲル内に導入すると、分子レベルの挙動を色の変化として観測できるようになった。つまり、ゲルの膨潤度は、高分子網目を構築する部分鎖の拡がり具合を反映していることから、本系の構築によって、環境変化に伴う"分子スケールの挙動をゲルから観測される色の変化で見る"というシステムが得られたと言える。本研究で確立した構造色を示すゲルを作る方法は、光応答性ゲル、電場応答性ゲル、分子認識ゲルなど、様々なゲルに対して適用することができる。最近では、環動ゲルというこれまでのゲルと比べて機械的強度が改良されたゲルにも構造色を発現させることができた。また、モノマー組成や架橋剤の量などを予め調節すれば、同じ種類のゲルでも異なる色を示すようになる。このようなゲルは、環境センサーや化学センサーなどへの応用が期待できるだろう。
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Research Products
(7 results)