2006 Fiscal Year Annual Research Report
矩形ビームモードを利用した応力場制御によるレーザ割断加工の高精度化
Project/Area Number |
17686012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 啓司 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50242532)
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Keywords | レーザ / 脆性材料 / 割断加工 / 熱応力 |
Research Abstract |
本研究では,レーザ光のビームモード(エネルギー密度分布)の変化によって照射部に生じる熱応力場を制御し,これによって脆性材料基板のレーザ割断加工の高精度化を目標としている. 本年度は,従来のシリコンウエハから加工対象材料を広げて,ガラス基板のレーザ割断加工実験を行った.昨年度の本課題の研究成果から,パルスレーザを使用して割断加工を行うことで,基板冷却機構を用いずとも基板熱損傷を抑制できることがわかっているので,パルスレーザを使用して実験を行なった. 本課題とは別途に,研究代表者が考案した新たなレーザ割断加工法を本研究課題も適用した.本加工法の特徴は,ガラスを透過する波長のレーザ光を使用するので基板表面ではエネルギー吸収せず,基板裏面にコーティングされた吸収剤あるいは基板を設置したテーブル面にてエネルギーを吸収することにある.このため,テーブル上に設置した基板に対して初期欠陥導入およびレーザ照射をともに表面から行ないつつも,初期欠陥位置と加熱による温度上昇部は基板表裏に分かれている. レーザ割断加工時のAE波測定の結果から,照射による温度上昇過程中に割断加工の主メカニズムであるき裂進展が起こるのに対し,割断面のエッジ部に生ずるチッピング(欠け)は過剰な温度上昇によって照射部の溶融・再凝固によって引き起こされることが明らかとなっている.したがって,今回の実験方法によって初期欠陥部の温度上昇を抑制して割断することが可能となり,品質の高いレーザ割断が行なえることを示した.
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Research Products
(1 results)