2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞とリポソームの電場制御融合による耐凍結・乾燥性糖類の細胞膜輸送促進
Project/Area Number |
17686016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80292754)
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Keywords | 細胞 / リポソーム / electrorotation / 膜融合 / dielectric spectrum |
Research Abstract |
二年目は前年度確立したGUVを生成し,細胞との電気融合のプロトコールの確立を行った.電気融合では,誘電泳動による細胞-PC-GUVの強い接触が,高圧電気パルスによる膜破壊と融合に先だって必要となる.前年度作製した回転電場印加装置にて,リン脂質L-αPhosphatidylcholine(PC)を材料とするGUVとJurkat細胞の誘電特牲を測定し,細胞内導電率がPC-GUV内の10倍程度であることを確認した.また,測定した回転スペクトルより,正の誘電泳動に最適な周波数を特牲した.これらの値は,双極子を仮定した単層膜粒子モデルにより解析的に求められることも確認した. 電気融合は,電極間距離が100μmのワイヤー電極を用いて行われ,この間に細胞とPC-GUVの混合懸濁液をたらし,種々の電場強度,パルス長さで融合を試みた.結果,電極間に細胞とPC-GUVが交互に配列される為には,双方の密度の調整が重要であること,正の誘電泳動の強度が比較的強く,双方の粒子の変形が大きい程融合しやすいこと,等が判った.また,電場に対しては,PC-GUVより,細胞の耐性が高く,電場強度を適当に選ぶことが重要であることもわかった. 以上の細胞-GUV電気融合の傾向を解析的に記述し,融合に必要な電場強度-長さを予測する為の数値霞場解析モデルを提案し,実験の傾向との対比を行いつつある.
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Research Products
(3 results)