2006 Fiscal Year Annual Research Report
周期変動型誘導熱プラズマを用いた高密度ラジカル流束制御と金属高速表面改質への応用
Project/Area Number |
17686023
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90303263)
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Keywords | 熱プラズマ / パルス変調 / 窒化 / ラジカル / 温度 / 安定維持 |
Research Abstract |
平成18年度においては,変調条件,電力と,改質表面との関係に重点をあてた。 1.励起N原子スペクトル強度の変調条件依存性 変調条件はPMITPの温度,流速などを変化させるため,これを用いた材料プロセスにおいて極めて重要なパラメータであると考えられる。ここでは特に電流変調率を変化させてN原子スペクトル放射強度を反応容器横の観測窓から測定した。その結果,電流変調率を小さくする,すなわち大きく変調させるとN原子スペクトル強度が大きくなることが判明した。N原子スペクトルは,上準位に励起されているN原子数に比例する。したがって,N原子スペクトル強度の上昇は観測空間における励起原子数の増加を意味している。 2.基板温度の変調条件依存性 変調条件を変えて照射している基板温度を,放射温度計を用いて測定した。特にここでは電流変調率を変化させて測定した。その結果,大きく変調させると基板温度は低下していくことが判明した。このことは,上記1とあわせると,変調を加えることにより,基板温度を低下させたまま基板に降り注ぐ励起N原子数を増加させることができることを示している。 3.XRD分析 照射した基板の表面をXRDにより分析した。その結果,表面状態は基板温度依存性が大きく,励起N原子数への依存性は小さいことがわかった。 4.励起N原子数のOn-timeの依存性 上記1において電流変調率を変化させることにより,励起N原子数を増加させられることがわかった。今度はOn-timeを変更させることで励起N原子数の変化をみた。その結果,On-timeがある範囲においては励起N原子数は増加するが,それ以外では増加しないことが判明した。
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