2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ダイヤモンドを用いた超高出力RF増幅およびスウィッチングデバイスの開発
Project/Area Number |
17686031
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
梅澤 仁 独立行政法人産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究センター, 研究員 (80329135)
|
Keywords | 電子デバイス・機器 / 半導体物性 / 表面・界面物性 / 先端機能デバイス / ダイヤモンド / 電界効果型トランジスタ |
Research Abstract |
昨年度の研究計画に従い、ダイヤモンド素子技術開発および材料評価を実施した。これにより、以下にあげる成果を得た。 1)低抵抗オーミック領域(ソース・ドレイン領域)の形成 超伝導ダイヤモンド合成技術を用い、単結晶ダイヤモンド上ヘトリメチルボロンを用いたボロンドープダイヤモンド層をホモエピタキシャル合成した。合成したダイヤモンド層は50mΩcm以下の低抵抗領域であり、合成時間1時間で成長厚さ150nmが得られている。シート抵抗は3kΩ/□程度であり、表面伝導層よりも小さい。また、TLM測定により得られた接触抵抗は、2mΩ-cm2程度となっており、表面伝導層上にアニール形成するTiCオーミック接触に対して1/3程度であった。 2)多結晶ダイヤモンドを用いた高周波ダイヤモンドデバイス 大面積化が可能な(110)高配向多結晶ダイヤモンド上に水素化処理を行い、MISFETを試作した。特性評価の結果、0.1umゲート長において、遮断周波数42GHzが得られ、ゲート長1.2umの素子による評価で低電界移動度が180cm2/Vsであることがわかり、単結晶ダイヤモンドに匹敵する特性が得られている。 3)リモートプラズマによる低温水素終端処理技術 水素終端表面伝導層はプロセス中のコンタクト形成やリソグラフィーによる高温処理での表面酸化や、スパッタ等のプラズマ工程における表面ダメージ形成により伝導性劣化が生じる。プロセス後に水素化処理を行うことによって、表面伝導層を回復させることは重要な技術であり、低温度・低圧力環境下で水素プラズマ処理を行い表面伝導層の回復を試みた。TiCによるオーミック形成後にリモート水素プラズマ処理(室温)で処理を行ったところ、TiC/アンドープダイヤモンド界面での酸化障壁が下がることがわかった。
|