2005 Fiscal Year Annual Research Report
注視機構をもつ二足歩行ロボットを用いた人の運動制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
17686035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牛田 俊 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (30343114)
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Keywords | 二足歩行ロボット / ロボットビジョン / 運動制御 |
Research Abstract |
二足歩行ロボットの運動動作としては,歩行・走行・跳躍をはじめとして様々な運動が実現されているが,人間の運動動作のように滑らかでかつ正確な運動を行うまでには至っていない. 本研究では,人間の運動制御時における環境適応能力のメカニズムを人工物制御の視点から解明し,環境の変化に対してロバストな人間の運動制御のメカニズムの本質を見出すことを目的とする.具体的には,以下の点に着目し,理論的な結果のみならず実機による制御機構の実装と,知的なロボット動作の実現を目指す. (1)小型二足歩行ロボットの頭部に,双眼カメラから成る対象物注視機構を構築する. (2)人間の脳内での空間認識の形成とその進化の過程を解明する. (3)視覚および注視機構を用いた二足歩行ロボットの運動動作の安定化を行う. 本年度では研究目標で挙げた(1)〜(3)について取り組み,特に,注視機構の構築と脳内での空間認識のための視覚情報処理についての基礎的なテーマを中心に研究を遂行した.具体的には,ロボットの運動動作安定化に利用可能なアルゴリズムの構築を目指した.さらに,視覚による二足歩行ロボットの動作安定化のための理論的基礎を固めるため,現有設備のDDアームを用いて,物理パラメータに不確かさをもつ倒立振子制御系の安定化問題を取り扱った.倒立振子系のモデル化を行い,数値シミュレーションおよび理論解析により安定化のための必要十分条件を導出した.さらに,制御性能の評価を経て実機への実装を行い,歩行ロボットに利用可能な視覚技術を構築した.
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