2006 Fiscal Year Annual Research Report
注視機構をもつ二足歩行ロボットを用いた人の運動制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
17686035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牛田 俊 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (30343114)
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Keywords | 二足歩行ロボット / ロボットビジョン / 運動制御 |
Research Abstract |
二足歩行ロボットの様々な運動において,人間の運動動作のように滑らかでかつ正確な運動を達成するため,人間の運動制御時における環境適応能力のメカニズムを人工物制御の視点から解明し,環境の変化に対してロバストな人間の運動制御のメカニズムの本質を見出すことを目的とする. 本研究では,理論的な結果のみならず実機による制御機構の実装と,知的なロボット動作の実現を目指す。 昨年度入手した小型二足歩行ロボットの頭部に搭載されているカメラと首振り機構で,視覚を実現するため,特に,注視機構の構築と脳内での空間認識のための視覚情報処理についての基礎的なテーマを中心に研究を遂行した.従来のロボット制御システムでは実現されていない,本研究の特色として,「ゆらぎが人の運動制御におよぼす役割」について理論および実験的な解析を詳細に行った.ゆらぎが制御系に与えるポジティブな役割について,その現象論と原理が明らかにされつつある. もう一つの特色として,脳内の記憶とその再現のメカニズムを模擬したメモリーベーストな視覚制御方法の開発にも取り組んだ.2足歩行ロボットに適用し実装する前に,ロボットアームと倒立振子からなる制御系を用いて,視覚制御系の安定性や時間応答等の制御性能を,シミュレーションおよび実機実験において検証し,良好な結果を得た.ゆらぎの機構を含めてこれらの二足歩行ロボットへの適用が,来年度に取り組むべき課題として明確になった.
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