2006 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークトポロジーとリレーショナル情報に基づいた流域水物質循環解析手法の開発
Project/Area Number |
17686046
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
増田 貴則 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20293897)
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Keywords | 流域 / 水循環 / GIS / リレーショナル / 水田 / 河川 |
Research Abstract |
平成17年度に引き続き,鳥取県千代川流域,同湖山池流域を対象に,流域内の水・物質移動に影響を与えると思われる上水,下水,農業集落排水などの利排水施設の位置とそれらの属性情報,また,灌漑用水路・排水路の形状(特に,水路網ネットワークおよび分水工に関する情報),水田形旨状およびそれらの属性情報をGIS上に整備する作業を行った.その上で,それぞれの事物の相互接続性(トポロジー)情報,オブジェクト情報,リレーショナル情報を基に,流域内での水・物質移動,農業用用水路・排水路を通じた水・物質移動を計算する手法の検討を行い,GISを用いて流域内部での利水配分および排水集積の計算を行った. また,同流域において用水路・排水路での流量・水質調査を行い,流域内でのアンケート調査を行うとともに,用排水路の水質に影響を与えると考えられる水管理や施肥などの農業イベントについての調査を行った. 以上で構築したシステムと情報を用いて,小規模な地域において,堰上げ,取水管理,浅水しろかきなどの農地水管理についてのシナリオシミュレーションを行ってみた結果,取水管理(中干しイベント以降の取水の適正化)において,排水量の削減とともに窒素やリンの物質負荷量の大幅な削減につながるという知見が見られた. 今後は流域の規模が大きくなった場合(水田を通した流域間の水・物質移動の計算を含む)および様々な気象条件,水田管理条件の下でのシミュレーションと,入力データおよびモデル自身のさらなる精度向上が必要と考えている.
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Research Products
(1 results)