2005 Fiscal Year Annual Research Report
流体・伝熱・構造連成解析による都市建物火災拡大・有害物質輸送メカニズムの解明
Project/Area Number |
17686049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黄 弘 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30376636)
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Keywords | 都市火災 / 火災気流 / 粒子法 / 風洞実験 / 流体・伝熱・構造連成解析 / 有害物質輸送 / CFD解析 / 都市火災予測手法 |
Research Abstract |
流体・伝熱・構造連成解析を用いて、燃焼反応、熱放射、熱対流、火の粉、接炎、風の変化、建物崩壊を融合させた室内外連成させた都市火災拡大と有害物質輸送予測手法を開発し、その物理的メカニズムを解明することを目的として、 1.都市建物火災データの収集 既往の都市建物火災に関する文献調査を行い、建物内外において利用可能な熱対流・熱放射・構造解析のための基礎資料を作成し、既往の実験による火災時の熱対流及び煙流動の特性に関するデータを整備し、既往の火災調査や火災風洞実験などによる火の粉に関するデータも調査収集した。 2.都市火災を想定した境界層型風洞実験の実施 所内にある無音境界層風洞実験施設を用い、モデル市街地を選定し、ある建物(群)の上層階において火災発生を想定し、火災発生階において汚染物質を模擬したトレーサーガスを発生させ、ガス濃度の平均量及び変動量を測定した。 3.都市火災時の室内外火災気流と有害物質輸送予測手法の融合と流体・伝熱連成解析による火災延焼シミュレーションモデルの作成と検証 これまで開発してきた燃焼反応モデル、ガスとスス放射モデルを組み込んだ圧縮性流体CFD解析による室外火災気流予測手法と有害物質輸送予測手法を融合し、風洞実験データと比較することにより本解析手法の予測精度の検証を行った。木造、防火造、耐火造に分けて材料特性を考慮し、それぞれの熱分解と一次元熱伝導を連成した材料燃焼モデルを構築し、これを予測モデルに組み込み、都市火災延焼シミュレーションモデルを作成した。 4.粒子法による建物崩壊の予測構造物の内部に多数の粒子を配置し、材料や部位などにより異なる粒子間相互作用モデルを設定し、火災による熱などにより構造物強度の低下を計算し、粒子と粒子との距離を予測し、粒子間距離が限界値を超えた場合は、粒子の飛散を開始させ、構造物の崩壊の予測を試みた。
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