2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子構造とフォノン分散の制御による環境調和型Al基熱電変換材料の開発
Project/Area Number |
17686054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 恒博 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 講師 (00293655)
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Keywords | 熱電材料 / 準結晶・近似結晶 / 電子構造 / フォノン分散 / ゼーベック効果 / ペルティエ効果 / 熱伝導度 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
エネルギー枯渇問題と,化石燃料消費による地球温暖化問題の観点から,廃熱や太陽熱を利用しエネルギー利用効率を高める技術の開発が急務である.熱を電気に変換できる熱電材料はこれらの諸問題を解決する機能性材料として注目を集めている.現在実用化されている熱電材料による熱電発電は変換効率が悪く,現状では大規模な熱電発電が行われる迄に至っていない.熱電材料の特性を向上により大規模熱電発電を実現することは,21世紀の材料研究者に課せられた最も重要な課題の一つである. 申請者は,近年,様々な金属材料の異常な電子物性(電気伝導率,熱伝導率,熱電能,電子比熱係数,ホール係数)を電子構造と結晶構造を解析することにより解明する基礎研究を行ってきた.これらの基礎研究により得られた知見から,熱電材料に対して今までに提案されていない全く新しい材料設計指針を構築するに至った.そこで,本研究では,申請者が提案する熱電材料設計指針により高性能熱電材料を開発することを目的とする. 17年度に行った研究において,Al-Re-Si及びAl-Mn-Si近似結晶を用いた熱電変換もジュールの試作を開始した.アーク溶解した試料を切り出し熱処理するのみで,熱電特性の良いAl-Re-Si及びAl-Mn-Si近似結晶を作成できることを示した.また,さらなる性能の向上を月指し,熱伝導度を決定する因子の解明研究にも取り組み,フォノン分散とフォノン散乱を制御する因子を特定するに至った.
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Research Products
(6 results)